「国際高等教育院」構想は、今年6月に設置された「大学改革特別委員会」において、賛成の多かった別の案を無視して松本紘総長から示された案で、来年4月1日の設立を目指しています。全学共通科目を担当している人間・環境学研究科、総合人間学部の教員のうち96人分、理学研究科の教員のうち27人分、その他の部局からもそれぞれ数人のポストを「国際高等教育院」に移すというものです。現在135人いる人環・総人の教員のうち39人だけを人環・総人に残し、配置換え96人分は人環・総人を併任または兼担とすることになっています。このような構想は、京大の特色ある教養教育を破壊するばかりでなく、大学自治をも脅かすものであり、私たちは強く反対します。
平成24年11月16日
京都大学大学院人間・環境学研究科、総合人間学部 教員有志
- 署名フォームは2月28日(木)をもって閉じさせていただきました。紙媒体と合わせ、下記人数の方々からのご署名をいただきました。ご協力まことにありがとうございました。
- 昨年11月30日に総長に提出して以降にいただいたご署名を集約し、3月中に総長に提出します。
紙媒体 | オンライン |
計 | |
学生 | 507 | 209 | 716 |
教職員 | 33 | 135 | 168 |
一般 (卒業生を含む) | 44 | 434 | 478 |
計 | 584 | 778 | 1362 |
名誉教授の木村です。先日科研費の手続きの研で人・環へ立ち寄ったとき菅原さんからちょっと話を聞きました。帰宅を急いでいたので昼のアジ演説は聞けませんでしたが、事態は危機的だと感じました。理系からばかり総長を選んできたつけが廻ったのでしょう。総長の独裁者的振る舞いは、何としてでも阻止しなくてはなりません。学内の他部局にも働きかけて反対の輪を広げて下さい。文科省へ直談判するようなことがあれば物心両面で応援します。
乱暴極まりない、やり方に元京都大学に勤めていたものとして、怒りと悲しみを強く感じます。この不当性が、吉田キャンパス、京都大学全体はもちろん、日本そして世界に明示できる状況と仕組みが早急に生まれることを切望します。一度破壊したものは決して元に戻らないどころか、未来を志向できないものになることは、学問研究に携わっている者なら、わからないはずはないと考えます。所属学部の教員が圧倒的な中での全学共通教育は、どうしても当該学部の学生を意識した教育、いわば専門基礎に偏った教育になり、そのことの
マイナスは明らかであり、「京都大学」に入ったことのすばらしさを受講者に感じてもらえる全学共通教育が、教養教育の重要性が改めて叫ばれている今日、求められるのではないでしょうか。
最悪の事態に向かってあまりにも急激かつ強引に進行していっている現状が少しでも改善されていくことを祈念しております。
金坂清則(2012年3月退職)