多様性ある教養教育と「自由の学風」を守ろう
京都大学の学生・教職員のみなさん
京都大学の研究・教育に関心をもつすべてのみなさん
京都大学の教養教育(専門基礎・外国語教育を含む)は、人間・環境学研究科と理学研究科が多くの授業科目を提供することによって行われてきました。優れた教養教育の基盤として必須な幅広い分野の教員が、第一線の研究と大学院・学部教育を担いつつ、教養科目を担当しています。高度な研究能力をもつ多くの教員が一丸となって、研究・教育を一体化させて推進することで、京都大学にふさわしい創意と多様性に溢れた教養教育を実現しているのです。
しかし、現在、松本紘総長が尋常ではない速さで実現を急いでいる「国際高等教育院」構想では、各部局から配置転換される200名近くの教員が教養教育に専念することを義務づけられます。暫定的には、研究と学部・大学院教育を続ける可能性をかろうじて担保されるとしても、近い将来、この組織が、最先端の研究に裏づけられた広い視野をもたない、ありきたりの教養教育しか提供できなくなることは明らかです。この認識に立ち、人間・環境学研究科/総合人間学部教授会は、同構想の決定に反対することを9月27日に決議しております。
京都大学は「自由の学風」を謳い文句とし、学生のみなさんもそのことに大きな誇りをもって、この大学で学ばれていることでしょう。わたしたちは、いかにも京都大学らしい柔軟な発想に溢れた高度な教養教育を崩壊させる「国際高等教育院」構想に反対します。このわたしたちの活動に、ぜひともご理解とご協力をお願いします。
人間・環境学研究科 教員有志
(配布ビラ No.1_Ver1.2:2012年11月14日 より)
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