お知らせ

有志の会主催:学生・院生・教職員との対話集会

Posted by 管理人 on 11月 26, 2012
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「国際高等教育院」構想と京大の教育について考える

日時:2012年11月28日(水)18:30~
場所:人間・環境学研究科 地下大講義室
どなたでも参加できます。

以下のテーマについて有志の会からの報告あるいは提起の後、自由に話し合います。

  1. 「国際高等教育院」構想 これまでの経緯と問題点
  2. 有志の会の活動       これまでの総括と今後の活動
  3. 京都大学の教養教育、学部教育、院生教育について

京都大学総長・執行部は、来年4月の開設を目指して、京都大学「国際高等教育院」(仮称)なる組織の設立を計画しています。11月26日にも総長と副学長からメールを発信し,教職員・学生との対話のないまま計画を進めようとしています.この計画は人間・環境学研究科・総合人間学部さらに京都大学全体の研究・教育体制にきわめて深刻な悪影響を及ぼす可能性があり、人間・環境学研究科教授会は、9月27日に、この計画に強く反対する旨の決議をしています。

現在、人間・環境学研究科教員が有志の会を結成し学内で反対の運動を展開しております。この対話集会では、これまでに「国際高等教育院」構想について知り得た情報を学生・院生・教職員の間で共有したいと思います。また、京大の教育については、これまでの教育内容やシステムも含めて学生のみなさんの忌憚のない意見を伺いたいと考えています。

人間・環境学研究科・総合人間学部 教員有志

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総長メール参考資料へのコメント

Posted by 管理人 on 11月 26, 2012
お知らせ / 2 Comments

「学内資料一覧」ページに掲載されている、「国際高等教育院」構想に関する松本総長から全教員宛のメール(2012/9/12)の参考資料1~7について、人間・環境学研究科教員有志からのコメントを作成しました。
同構想に至る意思決定過程の本質的な問題点を、論理的に指摘したものです。ぜひご参照ください。

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教員から松本総長宛の手紙

Posted by 管理人 on 11月 24, 2012
お知らせ / No Comments

このたびの「国際高等教育院」構想にあたって、事態を憂慮し、人間・環境学研究科の石原昭彦教授から松本総長宛に送られた手紙をご紹介します。

Letter from Prof_Ishihara
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留学生による抗議声明書

Posted by 管理人 on 11月 21, 2012
お知らせ / No Comments

11月20日、京都大学大学院人間・環境学研究科の留学生ネットワークから、松本総長に提出された公開抗議声明書を掲載します。日本語、英語、中国語、ロシア語、およびポルトガル語で書かれています。

On Nov.20, 2012, a public protest message was submitted by the International Students Network, Graduate School of Human and Environmental Studies, Kyoto University to President Matsumoto.
This message is written in Japanese, English, Chinese, Russian and Portuguese.

Final_letter.pdf
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有志サイト一般公開にあたって

Posted by 管理人 on 11月 19, 2012
お知らせ / 5 Comments

このウェブサイト「京都大学の自由の学風のために」は、2012年11月15日(木)、京都大学学内限定で公開を開始し、本日、2012年11月19日(月)より、一般公開を開始しました。

私ども、京都大学の「国際高等教育院」構想に反対する人間・環境学研究科教員有志の主張の内容については、掲載済みの3つのメッセージを、また同構想の詳細な経緯については、「学内資料一覧」ページを、それぞれご覧ください。

人間・環境学研究科教授会は9月27日に、同研究科会議(教授会よりも広範囲の教員を含む)は11月8日に、「国際高等教育院」構想に反対する決議を行っています。
私どもの主張にご賛同いただけるかたは、「署名ご協力のお願い」ページにて、ぜひご署名やメッセージをお寄せいただければ幸いです。

ご質問やご意見のある方は、「お問い合わせ先」ページをご参照ください。

ほとんどすべての記事やページの下部にはコメント欄がありますので、ご自由にコメントをお寄せください(記事のタイトルをクリックすると、その記事の下にコメント欄が開きます)。なお、最初のコメントは管理者の承認後に公開されますが、一度メールアドレスをご登録いただけますと、次回からはリアルタイムに公開されるようになります。

 

以下、やや蛇足ではありますが、本サイト管理人として、この場をお借りして、今回の「教育院」問題に関して少々思うところを述べたいと思います。

京都大学では、毎年度はじめ、新2回生に対して「2回生進級時アンケート」を実施しています。この調査の目的は、学生が入学後1年間の大学生活の中で京都大学の教育に対してどのような感想を抱いたかについて、2回生進級時点での意見を聞き、今後の京都大学の教育を改善・充実してゆくための重要な資料とすることにあります。

私自身が担当した2006年度の「2回生進級時アンケート報告書」の「まとめ」の部分で、次のように書きました。

 

京都大学の全学共通教育が――ひいては現代の大学教育全体が――直面しているジレンマ……とは、端的にいえば、京都大学の「自由の学風」の伝統に代表される学問の自律性と、現在の高等教育改革の基本的な方向性をなしている、広い意味での成果主義とのあいだに生じてくるものである。
(中略)
このようなジレンマの中で、今後の京都大学の教育はどのような方向に改善の道筋を見出すべきか――この問いに対してただちに一義的な解答を与えることは不可能であろう。ただ、次のような学生の意見は、この問いについて考えていくうえで重要な示唆を与えるように思われる。

○大学の授業はTVの番組ではないので、どんな授業であれ、受ける側の捉え方にあると思います。「学生の声」を反映させる試みは頼もしいですが、大学の講義が「消費される商品」になってしまうのは残念です。【教育】

●自分の目標がはっきりしているためにかえって、その専門科目(建築)とのつながりがはっきりしない科目に対する意識が希薄になっていた。しかし、それは大きな間違いで本来自分にとって建築は、人間、世界を知るための手段であって目的ではない。すべてが建築のためにあるように考えたのが大きな間違いだったことに、この一年間の犠牲をもってはじめて強く認識したように思う。【工】

大学教育が、学生(という「顧客」)の側にあらかじめ存在する「ニーズ」にのみ応えるための「商品」ではなく、場合によっては(しばしば専門教育と結びつけられる)「目的」そのものをも相対化し、新たな自己発見や世界観の変革をもたらす可能性のある反省的な営為であるということ。この可能性をより拡大していく方向にこそ、今後の京都大学の教育の真の「成果」は求められていかなければならないのではないだろうか。

 

「成果」や「目的」を追求することそれ自体は、いうまでもなく、学問に限らずあらゆる人間の営みにおいて当然のことです。しかし、学問は、あるいは大学は、そもそもこの世界の中で何のために存在するのでしょうか。それは、上記の報告書にもあるとおり、

「目的」そのものをも相対化し、新たな自己発見や世界観の変革をもたらす可能性のある反省的な営為

ということにこそあるのではないでしょうか。そして、この反省的な営為こそが、(多くの試行錯誤を経てではあるにせよ)人類の知の、あるいは科学技術の進歩をもたらしてきたのではないでしょうか。

少し唐突かもしれませんが、もし日本の原子力開発に携わってきた科学技術者たちのすべてが、上記の学生のように、科学技術は「人間、世界を知るための手段であって目的ではない」という心を持っていたとすれば、福島の原発事故は起こらなかったのではないかと、私は思います。

 

――回り道が長くなってしまいました。

たいへん残念なことではありますが、現在進められている「国際高等教育院」構想は、京都大学の教養教育から、上述のような反省的営為を奪う可能性を、ひいては、学問が人間と世界のために貢献するということの真の意味を学生が学ぶ機会を閉ざす可能性をもっているのではないかと、危惧せざるをえないのです。

この危機意識を、このサイトをご覧いただく方々と共有していければと考えています。

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